10月に入り、そろそろ年末調整の時期が近づいてきました。このところ、毎年の年末調整で制度改正などがあり、事務員としては気を使うところです。
今年の年末調整でひとつ、気をつけてほしいのが、保険料控除の特例です。これは、23歳未満の扶養親族がいる方が対象の、令和8年、9年限定の制度です。つまり、お子さんがいる方は、特にチェックしておきたい制度です。
私には子どもがいないので、正直この制度は、自分の年末調整には全く関係ないのですが、職場でお子さんを育てている方で関わってくる人は多くいるので、正しくお知らせしなければならないな、と思っています。(うちの職場は、比較的年配の方が多いのですが、それでもこの制度に関わる職員数は全体の15%ほどいました。若い方が多い職場であれば、もっと割合が多いと思います。)
どのような特例?
新生命保険料に関する「一般生命保険料控除」の上限が、4万円から6万円に引き上げられます。
控除額は、支払った保険料に応じて段階的に変わります。
| 年間の新生命保険料 | 控除額 |
|---|---|
| 3万円以下 | 全額 |
| 3万円超〜6万円以下 | 支払保険料×1/2+1.5万円 |
| 6万円超〜12万円以下 | 支払保険料×1/4+3万円 |
| 12万円超 | 一律6万円(上限) |
新生命保険料を多く払っている方ほど恩恵が大きく、年間12万円を超えて支払っている方は、これまでの上限4万円から一気に6万円まで控除額が引き上げられます。12万円までいかない方も、支払額に応じて控除額が増えますので、確認してみてください。
また、この制度は、実際にお子さんを扶養している方だけでなく、その配偶者も対象となります。例えば、旦那さんがお子さんを扶養している場合、旦那さんと奥さんがそれぞれ保険料を支払っていて、どちらもこの特例の要件を満たしていれば、それぞれの生命保険料控除に特例が適用されます。
旧生命保険料はどうなる?
この特例で計算方法が変わるのは新生命保険料です。旧生命保険料の控除額そのものは、これまでと変わりません。(控除額の上限は5万円。)
ただし、新生命保険料と旧生命保険料の両方を支払っている場合は、両方をあわせた一般生命保険料控除の上限が6万円になります。
生命保険料控除全体の上限は変わらず
もうひとつ気をつけなければならない点は、生命保険料控除全体(一般の生命保険、介護医療保険、個人年金保険)の控除合計額が12万円という点は変更なしということです。
つまり、これまで12万円の控除を受けている方は、特に変更点はありません。一方、これまでの生命保険料控除の合計額が12万円に達していなかった方は、今回の特例によって控除額が増える可能性があります。
また、住民税においては特例は関係ないため、これまでと変更ありません。
実際どのくらいお得?
このように書くと、「お子さんがいる方には、とてもお得な制度なのでは?」と思うかもしれませんが、実際に計算すると、所得税率10%の方なら、2万円控除が増えることで軽減される税額は約2,000円程度のようなので、思ったほどの効果は期待できないかもしれません。
それでも、少しでも控除額が増えるのであれば、せっかくなので正しく申告できるといいですね。
※所得税率10%…課税所得195万円〜329万9,000円の方
対象となる23歳未満の扶養親族がいる場合は、配偶者がお子さんを扶養される場合でも、お子さんの情報を年末調整のソフトに入力(もしくは、手書きの場合は記入)するのを忘れないようにしましょう。

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